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2016年4月

2016年4月26日 (火)

新緑の京柱峠・祖谷渓谷 その1

いつもは単独で超マイペースで出かけていますが、近年、古い友人たちとツーリングを計画する楽しみが加わりました。今回は四国。高知・徳島県境の京柱峠を越え、祖谷川の谷をのんびり走る予定です。集合場所は京柱峠の登り口にあたる土讃線豊永駅。私は特急の停車駅である大歩危駅で下車し、12kmほど吉野川沿いに緩く登って豊永駅に至りました。

四国まではもちろん輪行です。まず前日早朝に東京駅まで輪行。丸の内北口にある手荷物預かり所に車体を預けて出勤しました。東京駅から新幹線で輪行するとき、この方法はけっこう便利なんです。料金は600円。預けるのはこれで2回目ですが、扱いは丁寧です。仕事が終わってから戻って受け取り、そのまま岡山行きののぞみに乗りました。

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ちなみに、今回は遠出の2泊とあって、大型のサドルバッグ(CARRADICE・ネルソン)を調達。帰りはこれにお土産がたんまり入るほど余裕がありましたが、やはり大荷物です。担いで移動する場面は難儀しました。岡山到着は24時前。駅近の安宿で4時間ほど寝て始発のマリンライナー1号に乗りました。水は別として、この先食糧が手に入る見込みは薄いので、岡山駅前のコンビニでおにぎりやらパンやら買いました。

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どこだったか、途中駅で輪行袋が増加。こうして並べるとフォーク抜きのランドーナーの方がやはり小さい。高さがないだけで、設置面の大きさは同じくらいかもしれません。瀬戸大橋を渡るころ、朝日がさしてきました。埼玉県民にとって実物の海はいつも新鮮です。しかも上から眺めながら長い距離を渡ることなどめったにありません。海面は一様ではなく実に複雑な表情を見せていました。流れがある・・・。巨大な川のようです。

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坂出で特急しまんと1号に乗り換えます。マリンライナーは電車ですが、しまんとは気動車。束の間、讃岐のせまい平野を通り、四国山地に分け入っていきます。ディーゼルエンジンの音と振動は嫌いじゃありません。非電化の単線は車窓の風景を見るのに最適と思います。線路は讃岐山脈を何本ものトンネルで越え、いったん下って池田で吉野川を渡り、その後は谷にへばりつくように緩く上流に向かいました。このあたりが有名な大歩危・小歩危の渓谷で、大歩危駅はそのただ中にあります。

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車体を組み立て、走り始める準備が整ったのは朝8時過ぎでした。待ち合わせ場所の豊永駅までは国道32号を行きます。ここの交通量が多いことは分かっていました。大型車が頻繁に追い抜いていきますがじっと我慢。非常に緩い登りでしんどくはありませんが、速度も上がりません。それでも、大歩危峡の景観は堪能しました。露出する岩は三波川変成帯に属する変成岩で、これだけはっきり見られるのは荒川の長瀞とここ吉野川大歩危だけだそうです。たしかに似ています。でもこちらの方がはるかに谷が深く狭いと思いました。

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9時前、豊永駅に到着すると駅舎内で友人二人がちょうど車体を組み立て終わったところでした。駅は無人で使い放題?です。ここで自動販売機のペットボトルを買い、すぐに登坂開始となりました。本当にいきなり登り始めます。豊永駅の標高は225m、京柱峠は1123m。距離は18kmなので平均5%の傾斜ですが、楽なところはほぼありませんでした。それぞれのペースで、休み休み、思い切りゆっくり。例によって、ロードがこともなく追い抜いて行く場面が何度かありました。

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京柱峠を越える道は国道439号。ご存じの方も多いと思いますが、「日本三大酷道」などと言われる狭隘で険しい国道です。地元の愛称は「ヨサク」。たしかに、写真のようなところの連続で、自動車には酷でしょう。でも、これぞランドナーのためにある道。ロードに抜かれたと書きましたが、実際はクルマも自転車も交通量は非常にわずかです。実によいところでした。

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峠到着は12時ちょっと過ぎ。直前まで見晴らしはよくありませんが、峠では一気に展望が開けます。この眺望のすばらしさが京柱峠の魅力。四国山地を越える道はどこも険しく、道路改良の進んだ現代にあって、トンネルのない峠は数えるほどしかないそうです。その意味でも貴重。峠には小さな茶屋が1軒だけあって、名物のししうどんを食べて昼としました。

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さて、下りです。道は二つ。国道439号をそのまま下るか、峠から分岐する林道京柱線を行くか。林道は興味がありましたが、ダートでさらに登ります。このあと、東祖谷の落合集落まで行き、引き返して西祖谷の宿に入る予定ですが、時間が少し気になりました。話し合った結果、林道はまたの機会として先を急ぐことに。

が。この下りが予想外の難所でした。下り初めて間もなく工事区間があって、林道を迂回せよとの指示が。その林道はほんの少し登って下りになりました。路面はコンクリート。初めは緩かったのですが、すぐに転落すると思うくらいの傾斜が始まりました。15%以上はゆうにあったと思います。ブレーキが効きません。下りなのに汗だくになって、何度か休憩し、ヨサクと再び合流したときにはへとへとになっていました。

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国道は祖谷川の支流の谷を下り、祖谷川と合流したところで再び祖谷川沿いの登りとなり、東へ向かいます。それを数km進んだところにあるのが落合集落。谷の斜面にへばりつくように集落が形成されています。その標高差は390m。観光案内にあるようにまさに「天空の集落」です。

でも、私はそれほど期待していませんでした。たいしたことないというのではなく、同じような景観の集落をあちこちで見ていたからです。池田で吉野川の谷に入ったところから、谷の両側の高いところまで人家と畑があるのに気付きました。平家の落人伝説と結びつく「天空集落」。それがありふれたものに思えるところがこの地域の魅力かもしれません。

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落合集落では、長沢家住宅を見学。その縁側からの眺めが秀逸でした。ここ落合集落は、京柱峠と並び称される落合峠の登り口でもあります。当初は二日目にその落合峠を越える計画でしたが、輪行のスケジュールが厳しくなるので断念。ここもまたいつか訪ねたいと思います。

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宿は祖谷川を下り、京柱峠からの下りとの合流点を過ぎた少し先にあります。合流点からの道は徳島県道32号。二車線のなめらから舗装で、酷道ヨサクよりよほど立派でした。宿のすぐ手前に、有名なかずら橋があります。ものは試し。渡ってみました。高いところはけっこう平気ですが、これは腰が引けました。ただ、通行料550円はいただけません。さらに周辺も巨大な駐車場と土産物店があって興ざめ。もはや秘境とは言いがたいです。

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宿には17時前に到着。風呂で汗を流し、宴会に突入したことはいうまでもありません。

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2016年4月19日 (火)

土坂峠・林道上武秩父線

前日の飲み会が早く終わってその日のうちに帰れたのですが、あろうことか目覚ましをかけ間違えました。すっかり明るくなってから家を出て最寄り駅から輪行し、西武秩父駅に着いたのが8時過ぎ。予定より2時間近く遅いスタートとなってしまいました。

まず小鹿野に向かいます。以前、国道299号を行って遠回りな気がして、今回は長尾根丘陵を越えるルートでショートカットのつもり。が、いきなり10%の登りに遭って早くも歩きました。ここでふんばると膝に来るので、慎重に行きます。

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下って小鹿野の町が近付くと、何やら花火らしき音が。祭りか運動会か、と思ったら春祭りでした。町の入口に交通整理の人がいて、私は車といっしょに迂回路に行きたかったのですが、なぜか自転車はこっちだと指図されて町中へ。ここでもまた歩きです。途中から横町に抜けてルートに復帰しました。

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次の目標は合角ダム。合角 は「かっかく」と読みます。秩父にある4つの大規模ダムの一つで、私はここだけまだ行ったことがありません。小鹿野から最も近そうなルートはちょっとした峠越えになりますが、車がほとんど通らないのどかな道でした。峠部分はトンネル。少し手前に「落葉松峠」の案内があり、トンネルの上の方に道が分岐していました。旧道が残っているようです。

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トンネルを抜けて少し下ると、ダム湖の斜張橋に出ました。橋の上から堤体が見えます。ダム湖の名は「西秩父桃湖」。命名を巡っては、前の埼玉県知事の娘の名ではないかと噂されたのを覚えています。予定のルートはダムのすぐ脇を通り、そのまま下りました。ダムの高さは60mほどで、他の3つのダムから思うとこぢんまりとした感じです。

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道は県道71号に合流し、土坂峠に向かって再び登りです。途中、明ヶ平、小川の2つの集落がありますが、道にも集落にも花が咲いてとてもきれいでした。「カイドウ街道」の案内を見て何だろうと思いつつ通過。「カイドウ」は樹木の名で、県道沿いにずっと咲いていたのは、その花だったことを帰ってから知りました。

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土坂峠。正確には土坂隧道入口。標高700m。ここまでの登りは集落を通過する直線がいちばんきつく感じました。そのあとは折り返しながら少しずつ高度を上げます。到着は12時半。いつもながらのスローペースです。トンネルの手前に群馬県境の標識がありました。ここで群馬県側に下る予定ではありません。とりあえず通り抜けて向こう側を見ましたが、さしたる眺望の変化もないのですぐに引き返しました。

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さて、ここからが今日のメインルート「林道上武秩父線」。トンネルの手前に左右の分岐があり、左は「林道西秩父線」、上武秩父線は右です。西秩父線は志賀坂峠に通じていて、そこからはさらに金山志賀坂線で八丁峠(八丁隧道)、中津川方面へ行けます。埼玉・群馬の境目のこんな奥地に長大な林道が通っていることを、実は近年まで知りませんでした。

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上武秩父線に入って間もなく、小さな隧道を抜けたあたりで登山道を探しました。地形図にほんとうの土坂峠に通じる道が記されているところです。杉林の中に何となく道らしき筋があるように見えます。以前読んだ『秩父の峠』(さきたま双書)に土坂峠の項があって、私もいつか歩いてみたいと思っていました。でも山歩きの経験がない素人には道の判別もままならないようです。

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上武秩父線は途中まで群馬・埼玉境の尾根付近を通っていて、城嶺山の頂上下まで緩い登りです。ほとんど杉林の中ですが、ところどころ眺望が開けました。群馬県側、神流湖の湖面が見えたり、埼玉県側、秩父盆地と外秩父の峰を見たり。たまに山仕事や山菜採りらしき人の軽自動車に遇うくらいで、交通は非常にまばらです。自転車は外国人のロード二人組とすれ違っただけでした。

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城嶺山はどうするか迷っていました。案内によると山頂下に車を止めてすぐに登れるとのこと。時間が気になりましたが、せっかくなので"登山"です。ランドナーは駐車スペースの木にワイヤ錠で絡めて置き去り。頂上まで片道500mで高低差80mほど。階段がきついです。

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登った甲斐はありました。頂上には電波塔兼展望台があって、それに上がると四方をぐるりと見渡せます。まさに360°の眺望。残念ながら春霞で遠方は見えず、近くもすっきりとはいきませんが、秩父でこれだけ見えるところは初めてでした。次は冬の晴れた朝に来たいと思います。

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時刻は3時を回りました。今日の本当の目的(名目かも)は、本庄の高齢者住宅にいる母を訪ねることです。暗くなる前に着きたい。あとは下るだけですが、急いだためかどこかで予定のルートを外れました。

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神流川へ下り、神川を通って平地に抜けるはずが、GPS地図を見ると、いつの間にか長瀞方面に向かっています。戻ると登りになるのであきらめてそのまま進むと、県道13号の出牛付近に出ました。出牛と何か縁があるようです。そこからは知っている道。どんどん進んで写真も撮りませんでした。

用事が済み、本庄駅で車体を解体したのは20時過ぎ。高崎線で爆睡しました。

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